化学屋の資格受験記録

理系(化学系)です。資格・検定の受験記録をしていきます。しばらくは国家資格メインでやります。

【一発合格】エネルギー管理士の受験体験記・勉強法

どうも、Sotetsuです。

 

2020年8月30日開催の、「エネルギー管理士」に合格しましたので、合格体験記と勉強法を共有いたします。

 

 

受験体験記と自己採点結果

エネルギー管理士試験は、計4科目を受験し、全ての科目に合格(得点率60%以上)することで、合格となります。エネルギー管理士試験には、熱分野と電気分野がありますが、合格すればどちらも同じ資格なようです。熱分野の方が取り組みやすいという意見もありますが、私は電験三種の受験も計画していたため、出題範囲が被る電気分野を選択しました。

 

受験結果(自己採点)

受験結果です。以下は自己採点の結果です。合格証・通知には、点数は記載されていませんでした。自己採点の結果、何とか一発合格をいただく事ができました。受験料が高いので、その点でも安心です(笑)

 

エネルギー総合管理及び法規 167/200 (42/50, 45/50, 80/100)

電気の基礎 130/150 (50/50, 50/50, 30/50)

電気設備及び機器 153/200 (30/50, 38/50, 41/50, 44/50)

電力応用 179/200 (50/50, 43/50, 36/50, 50/50)

 

 各科目の受験体験記 

各科目を受験した際の感想を綴ります。

 

エネルギー総合管理及び法規

法規科目ですが、計算問題が半分程度を占めており、単純な計算が多いので、他科目の勉強をしっかりしていれば、それだけである程度得点できるでしょう。また、法規の語句選択もあまり細かい事は設問にしない上に、知らなくてもその場で考えれば得点できるような選択肢なので、電験三種法規のような地獄感はありません。特に問題なく突破しました。

 

電気の基礎

電験三種でいう「理論」がメインです。あまり複雑な事は聞かれない印象ですし、参考書+過去問をある程度回せていれば合格しやすいと思います。自動制御、色々ど忘れしたのですが、空気を読むことで何とか対処しました…。あと、湿度計の問題とか知りませんがな…。

 

電気設備及び機器

電験三種でいう「電力」と「機械」が合わさったような科目です。エネルギー管理士試験の中では、もっともとっつき辛い科目だと思われますし、出題のバリエーションも広いです。電験三種の「機械」の対策(特に直流機、誘導機、同期機、変圧器)をする事で対策しやすくなるでしょう。やや不安でしたが、突破しました。

 

電力応用

 

電験三種の「機械」がメインですが、電気の分野を超えたような力学チックな問題が出題される事も多いです。2020年度は問題11,12共にその傾向が強く、電気の勉強を中心にされた方はかなり取り組みづらかったのでは、と思います。特に、問題12の速度の積分の問題は、誘導に従えばそう難しくはないのですが、馴染みが無いとかなり混乱したのではないかと思います。化学系なのに電気化学が36/50だったのは、化学系失格かもしれません(笑)。照明の問題、全くわからない問題が4問くらい有りましたが、運ゲーに勝ちました(笑)。

 

勉強時間と勉強法

私の勉強法などを共有いたします。私は大学院で化学を専攻しており、無機化学有機化学・分析化学を学習していました。また、大学受験でも物理、数学はかなり時間をかけて学習したため、ある程度の物理・数学のバックグラウンドがある状態で受験しております。

勉強期間・時間

  • 勉強期間:2020/7/1~
  • 勉強時間:計150時間程度

9/13の電験三種の試験対策と兼ねて行いました。高校物理、数学の延長である程度対応できたので、この位の期間・時間で済みました。大学受験、大学教養課程で勉強していなかったら何倍も必要であったと思われます。

参考書・問題集

参考書としては、オーム社の下記の参考書を使用しました。試験範囲は網羅されていますが、レビューにもある通り、記載が簡素です。理解度を上げたい方は、電験三種の該当範囲の参考書・問題集も併せて入手される事をおすすめします。電験三種の方が丁寧な参考書が揃っています。私は、機械分野は電験三種の参考書も使いました。

 上記の参考書の他には、集電気書院の過去問題解説を利用しました(下記シリーズ)。解説や別解が丁寧なため、おすすめです。5年分程度を解きました(電験に力を入れていたので…)。

 

電験三種との比較

本試験とよく比較されるのが電験三種です。法規を除き、範囲の大部分は共通したものとなっております。私は電験三種を2020/9/13に受験しましたが、以下のように感じました。合格難易度としては、エネルギー管理士の方が低いと感じました。

 

  • 出題範囲は8割方被る

エネルギー管理士は情報、電力応用(電動力応用、照明、電気化学)の比重が大きい、電験三種発電所、送配電設備、パワーエレクトロニクス等について出題がある、等微妙な違いがありますが、電気の理論、電動機、変圧器、配電等共通部分が多いです。余裕のある方は同時取得する方が効率が良さそうです(電験二種との同時取得でもいいかもしれません)。

 

エネルギー管理士は一見難しそうな問題でも、誘導が親切なので、誘導に従えば高得点を狙いやすいです。一方、電験三種は誘導がほぼありませんし、ややひねった問題・本質的な理解を問う問題が散見されます。電験三種の方が得点につながるまでの学力レベルが高いと感じました。

 

  • エネルギー管理士の方が得点・合格しやすい

エネルギー管理士は満点150/200点で、1問あたり2~5点の配点なので、点数を細かく刻みやすいです。また、選択肢が温い(笑)事が多いため、得点に繋がりやすいです。一方、電験三種は100点満点で1問あたり5点(法規は6,7点)なので、1問あたりの比重が大きく、凡ミスが続くと命取りになりやすいです。さらに、電験三種では、4~5個程度の穴埋めを正確に答えないと得点にならない問題も多いです。安定的に合格しやすいのはエネルギー管理士だと感じました。

 

  • エネルギー管理士の法規は比較的簡単

エネルギー管理士の法規は、電験三種の法規と異なり合格しやすいです。1問あたりの配点が少なく、計算問題が半分程度を占めており、出題パターンも比較的定まっているためです。電験三種の法規は膨大な「電気設備の技術基準の解釈」から細かい語句や数値を問う問題が出る事があり、対策がしづらいです。

 

まとめ 

以上、エネルギー管理士の合格体験記および勉強法を共有させていただきました。

参考になりましたら幸いです。

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